2009年1月22日 (木)

『チーム・バチスタの栄光』『かもめ食堂』『マーフィ』

最近はいよいよ春合宿関連が慌しくなってきて、学年会やら有志の練習やらでてんてこまいな今日この頃。それでもテストとかはちゃんとやってくるので、なかなかに憎らしいものです。まあ、明日の三つが終わればもはや試験も終わったも同然なんですけれどね。

そして、電車に乗る時間が長かったりしたので、サクッと読み終えた作品がこちら。

『チーム・バチスタの栄光』/海堂 尊
何か読む本はない?と母に聞いたら持ってたので借りてみたり。なんというか、個人的な印象としてシリアスなノンフィクションかと思っていたら、全然そんなことはなくて、「メディカル・エンターテインメント」と銘打たれるだけのある種の気楽さ、みたいなものも持った作品でした。サクッとした軽い文体だとか、人物描写の巧みさだとかは、それでも非常に面白いです。テーマ自体は医療現場におけることである以上、ある程度重くなりがちなのを、うまーく、ゆるーくしてると思います。後は、個人的には白鳥のその対話手法は心理学部的にはなかなかに頷けるものがあります。その静時の心理的動向と、動時の心理的動向を時間的位相をつけて測る、というのはなかなかに興味深いですし、臨床心理現場ではしばしば使われる手法なのかな、と思います。

個人的には非常にオススメです・・・そして、まとめてレポートの課題図書『マーフィ』と、映画『かもめ食堂』について雑感。

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2008年10月19日 (日)

秋の日にて / 『全てがFになる』森博嗣

今日はまたもや“久々に”何もない一日でした。某Hと某所に行くか?という予定があったものの、諸事情につき、キャンセルして、家に引きこもって色々と作業。庶吹のHPに写真を追加したり、cssを勉強するためにスタイルシートを活用したページを製作してみたり。

でも肝心のレポートを作ってないという・・・明日中に書き上げなければ( ̄  ̄;

で、話は変わって、最近読み終えた小説のお話。

『全てがFになる-Perfect Insider-』/森博嗣著

というわけで、久々のミステリでした。個人的にミステリは全てのカードが出揃うまでの「前説」が長い気がしてしまうものの、そこを過ぎると一挙に世界に引き込まれてしまうんですよね。そして、二週目が俄然面白く読めてしまうという。

今回、森博嗣は初めてだったのですが、評判がいいだけにやっぱり中々に面白かったです。今は、二週目をガシガシと読んでいるのですが、「ああ、ここが伏線なのか・・・?」とか思いつつ読むと迫力が増す気がします。ただ、文庫の癖に下手したら「ほぼ日手帳」並に重いんじゃないか、とか、或いは知らなくても楽しめるとはいえ、途中からPCのプログラム言語に絡んだ内容の話にまで繋がってくるので、そこがとっつきにくい人には少し辛いかもしれません。でも、現実と仮想現実云々、「生命の定義」に対する思想は読んでてなかなかに面白いですねぇ。

とりあえず二週目が読み終わったら続きもののやつを買うか、親が持っていた『チームバチスタの栄光』を読もうか迷い中です。

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2008年5月31日 (土)

卒業/重松清、70年代風の酒を

結局、飲みとかがあった庶吹の日ぐらいにしか帰りの電車で本を読んでない気がする今日この頃。それでも一冊を読み終えたので軽く紹介してみます。

『卒業』/重松清 著

短中篇四つから構成され、それぞれがあるテーマでゆるく繋がった一冊。

完全な私見になりますが、ちょうど小田急線で新宿から乗ると、最寄り駅につくまでに一編を読み終えることができるので、何とも都合の良い本でした。良い意味で相も変わらず重松清的な文体、家族のテーマ、それらが描かれていて個人的にはとても読み易くてまあそれなりに考えるところもあったりします。

個人的には四編の中でも『あおげば尊し』が一番グッときてました。こういうのに弱くなったというのは、何だか少ないながらもやっぱり歳を重ねた証拠でもあるのでしょうか(笑)少なくとも高校時代にこれを読んでも、今読んで感じた感慨といったものは湧いてこなかっただろうと思えば、年齢を重ねると言うのは色々と不思議で面白いものです。

全編としてテーマ的には若干重いかもしれませんが、それぞれの話自体はそこまで長くないので、サクッと読めそうです。ちょっと読むにはいいかもしれませんねー。

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080530 池袋北口、HUBにて。

初めて行った英国式パブ(※日本で言うところの“パブ”ではない)では、やたらとうるさくて、それでも何だかとても懐かしい感じがした。

そんなわけで今日は某20男と共に、美味い酒を一杯引っ掛け会、みたいなものをやってきました。

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2008年5月 3日 (土)

『重力ピエロ』/伊坂幸太郎/『ソクラテスの皮肉』ザ・テューバ・バンド

学校も始まり、行き帰りの電車では座ると寝てしまうことが増えていたために中々に読み進めていなかった本でしたが、今日、残っていた数ページを一時限分の待機時間中にサクッと読了。

『重力ピエロ』/伊坂幸太郎

方々で「面白い」と評判だったものの、伊坂幸太郎は初めて手にした作家でしたが、割とテンポ感がよくて読みやすい印象があります。特に最後の最後で、最初に立ち返るというのも印象的で良い感じでした。

この本自体の内容-テーマとしては、放火やら婦女暴行だのなんだのと、社会的問題としてしっかり捉えれば重いのでしょうが、それでも文体のお陰か、或いは人物造形のお陰かそこまで暗くならない感じに進んで言っていくような気がします。何だか宮部みゆきや高村薫以来、久々のミステリだったのですが、もうちょっとこの人の作品をあさってみようかと思います。次はアヒルと鴨の~、あたりでしょうか。

そして、今日帰ってみると届いてたCDについて。

『ソクラテスの皮肉』/ザ・テューバ・バンド

大分前に買った「Ready for Freddie/Freddie Hubbard」を聴いて、もうちょい真面目にジャズ・ユーフォを探求してみようかな、と思って買った一枚。楽天のポイントも溜ってて2千円ぶんくらい得して買えることができそうだったのも、購入の後押しに。

村田陽一というトロンボニストがプロデュースを手がけ、ユーフォの外園さんやら、ジャズ・ユーフォの山岡潤さんやらで構成されたバチュー四重奏+ドラムループ(電子楽器で一定のリズムパターンを繰り返させるもの)という形態での演奏。

アルバムタイトルにも掲げられた同曲はその形態を最大限に生かしつつ、変拍子的な要素も満載で、それがなかなかにはまれば癖になる感じです。そしてその後に『Over the Rainbow』やら『Spain』やらが続いて、ミロンガ(アルゼンチンの音楽ジャンル)、『Tequila』っとなっていて、中々に曲のバランスも良くて楽しいですねぇ。

まだまだ聞き込んでないので、ざっくりした感触しか触れてない感じですが、暫くは楽しめそうです。でも、やっぱり吹奏楽という形態もさることながら、こういうアンサンブルも楽しそうでいいなぁ。やっぱり春合宿で何か謀を行うしかないですかねぃ・・・

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2008年3月21日 (金)

『図書室の海』/恩田陸 著

相も変わらず、中途半端に虫食い状態になった教習の合間にぼちぼちと本を読んでる今日この頃。最近読み終わったのは、この一冊。

『図書室の海』/恩田陸 著

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2008年2月21日 (木)

鍋の季節の終わり/海を抱く 村山由佳著

昨日は練習で最後の終わらせ方に苦しみ、今日は某3男さん家で鍋をつついてきました。

練習の方はともかく、今日の鍋会は割りとあまり絡みのない方々とだったので色々と新鮮かつ、裏話的なものも聴けて面白かったですねー。そして水炊き・・・もとい鍋はやっぱり美味しいもので、ついつい食べ過ぎてしまうものですが、その分野菜も食べていたので大丈夫でしょう。何が大丈夫なのか判らないですが。

うーん、でも家の方に帰ってくると、何だか都心よりもほんのりと気温が高く、ここ最近は息が白くなるようなことが少なくなってます。朝も霜柱が立たなくなってきてますし、今日なんかは昼間が割りと暖かい感じでしたよね。なんていったって10℃を越えてきているので、もう多分冬もいよいよ終わりの方へと近づいてきているのでしょう。そして、春へ。

・・・で、結局教習の方は直近で3/1に予約、それ以外は基本的にキャンセル待ちの形になるので、ここのところは午前中早い時間に教習所に行って、待合室でぼーっと本を読んでる事が多くなりました。運転の感覚が鈍っていきそうでそこは怖いのですが、それでもそういう時間は割りとずっと無かったので、久々に本がたっぷり読めていいかもなぁ、なんて思ってたりします。そして結局キャンセルが出なかったら、送迎バス使わないで家までのんびりと歩いて帰ってみたりして。何だか一層悠々自適な生活になってきたように思えます。

そして、そんな日々の中で最近読み終わった本について。
『海を抱く -BAD KIDS- / 村山 由佳著』

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2007年12月16日 (日)

うーん・・・/『哀愁的東京』重松清

やはり疲れが溜っているのか、或いはここのところの風邪気味な体調がよくないのか、どうにも調子が悪くていけませんね。ここのところやたらと冷え込んできた所為なのかなぁ・・・もともと免疫力というか、自然環境の変化にそこまで強くない体質のようで、季節の変わり目はいつもこう、不調が続くため、そこまで気にはしてないです。しかし、カーメルのクリパにもいけず、昨日は家で一日中作業したり、本を読んだりして休んでいたものの、イマイチ疲れも取れず。色々とあって精神の面でも疲れていると、それはやっぱり身体にも影響はあるのでしょうし。

まあそれはそれ、これはこれとして、いよいよ初ぽぽろでカオスなクリスマスコンサートも終わって、庶吹の今年の公的な活動は全て終わってしまいましたね。後は飲みやら旅行やらOB練やらがちょこちょこありますが、普通の練習もなく、サイレントミュートなしで楽器吹ける機会がかなり少なくなってしまって、寂しい気もします。四月から最近に至るまでの楽器に関する軌跡を追うと、やっぱり一年半以上のブランクを埋めること+五月ごろから初めてプロの指導を受けて、大分吹き方が変わったことが大きいでしょうか。特に高校時代には5割以下の確立だったHighBbも、何とか8割方は当たる様になってきたのは、いい傾向だと思います。高い音が出るようになる=上手くなったとは思いませんが、とりあえずコントロール能力が上昇しているのはいいんじゃないかな、と。それでもまだまだ他にも色々と課題や問題点は沢山あるのですけれどね。あと三年ちょいで、限られた時間の中でどれだけ上手くなれるか。そこまで気負うつもりもないですし、楽しむことを最大の重心としたいですが、上手くなることもやっぱり楽しみの一つでありましょう。

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さて、エントリが随分と長くなったので別の日に書こうかと思いましたが、割と記憶と感想が新鮮な内に書いていきたいと思います。

『哀愁的東京』重松清著/角川文庫

個人的には最近よく読む重松清の作品。自身のフリーライター稼業をバックボーンに、ある一人の“東京の”フリーライターを軸とした連作長編・・・というのが端的な説明になるでしょうか。相変わらずの文章力ですが、テーマは他の「家族」というものとちょっと違っていて、やはり「東京の人々」というものにスポットが当たっていると言っていいでしょうか。東京には色んな人がいて、その分、色々な世界がある・・・

個人的に、東京の街というのは、あまり好きではなかったりします。人でごったがえしているのが苦手、というのもありますし、空気が悪いのが身体的、精神的にも駄目だというのもあります。でも多分、インフラが進み、各地方がある種東京を模範とした「都市化」がどんなに進もうとも、やっぱり東京は東京であって、それはそれで愛すべきものなのでしょう。本作品中にも書かれている通り、東京というのは何事かを失っていくには、あまりにも容易い場所でありますが、何かを手に入れて、それを維持したり守ったりしていくには大変な場所でありましょう。少し時間が経っただけで、風景は全くの様変わりしてしまいかねないこの場所は、正しく哀愁や寂寥が似合う場所なのかもしれません。

作品自体は読みやすく、連作でずっと繋がっていて、話し全体としては前に進んでいきますが、それは一話解決型の漫画みたいなもので、一つ一つの区切りは割と気軽にサクッと読めます。だから通学中に読むには丁度いいのですが、これから冬休みで大量に読書の時間があって作品を一気に読める様な場合は、これはあまり向かないかもしれませんね。「悲しみ」ではなく「哀愁」を感じたい場合には読んでみるといいかもしれません。

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2007年12月 6日 (木)

『アムリタ』/よしもとばなな/新潮文庫

先日、練習に行く途中の電車の中で読みきってしまったのでサクッと紹介。

吉本ばなな女史の作品については、今まで『TSUGUMI』『ハネムーン』を読んでいて、後者の方のぼんやりとしつつも、何ともいえないノスタルジアやふと寂寥を感じさせる雰囲気が結構好きで、今回も割りとそういう感じの作品という印象があります。物語の流れを一言で言えば・・・というよりは自身のあとがきから拝借すれば「少し常人とは違った不思議な人達の日常を描いた」小説だと言えるでしょう。それこそ、村上春樹の作品に出てきそうな少し常識外れの能力を持った様な人々が、普通の人と同じ様に日常を過ごしていくことだけを描いている、とさえ言ってしまってもいいでしょう。テーマ自体は結構重いものがあるとは思うんですけれどね。語り部の口調と、情景描写の美しさとかがそれをオブラートに包み込んで、さくさく読める様になっている気がします。

何より、ひたすら「日常」を描いている所為か、何処となく“静けさ”のようなものに満ちていて、それがここのところ忙しく、ささくれ立っていた様な心を落ち着かせてくれた・・・ような気もします。示唆的な部分にハッとさせられたり、描写されている美しい風景を心に思い描いてみてそういうものを実際に見て、その空気を、雰囲気を、粒子さえも肌で感じたいなぁ、と思ってみたり。作品中に二回出てくる水平線の夕陽、これがとてもとてもやっぱり夕焼けマニア(?)としてはたまらないものがあるんです。昔、高校の修学旅行のオーストラリアに行き、クルージングしているところから見えた、海と空の夕焼け。今ではすっかりその名残も薄れてしまいましたが、実際に見ていた時は・・・どうだったでしょう?あまり覚えてなかったりします(苦笑

話を戻せば、そんな感じで個人的には好きな作品。ただ、この手の作品を読みなれてないと、あまり読んでても楽しくないかもしれませんね。同系統で言えば、江国香織や村山由佳らへんの方々。そして、次は一気に趣向が変わって再び重松清でも読もうかと思ってます。でも村上春樹でワンクッション置くのもいいかもしれないですねー。

おまけの写真はこれを書いている時にフト思い出し、フォルダを漁って見つけてきたもの。クルージング中の船からシドニーの都市中心部(オペラハウスがあるところ)を望んだ景色と、クルージングしていた船と併走しているボートの夕焼け添え。もうあれも3年前になるんですねー・・・本当に時間の流れは早いな。

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2007年11月21日 (水)

穏やかな気分/『アフターダーク』村上春樹

何となく、この前の日曜日の休養が良かったのか、最近は割りと調子が良いです。気分的にも変な焦燥感もなく、世はこともなく、太平也、とでも呟きたくなるような、まっさらな感じがあります。やっぱり、何でもかんでもと動き回っていると、ちょこちょこと休憩を取って休んでるつもりでも、実際には休めてないんでしょうね。体力的にも、精神的にも。

今日の合奏、キャッツキルズの頭はとりあえず見えました。残念なことに若干失敗してしまいましたが、一つ分った気がするのは、他の人が頑張っているのを見ていたら、自分自身も変な風に構えて、色々と試行錯誤していたのですが、特に何も言われない以上、その音楽の流れ、その風景の中でゆったりと見えた風景を歌えば良いんだな、ということを。後は少し、他の人と溶け込むために、微調整して、最初の一音だけ細心の注意を払えれば良さそうです。

そしてシェルターアイランドは、いよいよ風景が心の中に浮かび始めました。特に今日は、クライマックスらへんで、ぐるりと蒼い海に囲まれた、こじんまりとした小さな島が現れてきました。段々と、皆で風景を作り上げることが出来るようになってきたんですかねー。これはニューヨークも然り。

そしてオマケで気が向いたので少し前に読んだ本の紹介。

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『アフターダーク』/村上春樹著/講談社文庫

某氏が最近手にとって読んだという本。多分、そやつにとっては始めての村上春樹作品がこれだったのでしょうか・・・うーん、この作品が好きな人には申し訳ないですが、もしそうだとしたら、少し運がなかったとでも言う様な気持ちになってしまいます。この作品を一言で言えば、実験的、ものごとをとても客観視(パースペクティブ)的に描こうとするもので、全く持って氏の今までの作風からするとガラリと変わった印象を受けたものです。

私的に断ずるなら、やっぱりそれまでの様な文体、世界の描き方の方が好きですね。ちょっと形容し難くて、多分、少し好き嫌いが別れそうな少し癖のある文体。癖がある、という点ではやはりこの本にもあるのですけれどね。

ただ、別の視点、“村上春樹が書いた”というのを捨てて、そういったものを期待しなければそれなりの面白さはある様な気はします。完全な傍観者として定義付けられた語り部、及び読者。それは確かに、今まで無かったタイプの描写ですから、ある種の楽しさはあるのですが、「また読むか?」と聴かれると、それを読むくらいなら『風の歌』三部作とか、『世界の終わりと~』『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』とかに行っちゃうきはします。人に勧める場合もまた同じ。

うーん、なんてそういった作品を思い出していたら、『風の歌』三部作が読みたくなってきてしまいましたね。今読んでる吉本ばななの『アムリタ』が終わったら、また久々に読んでみようか知らん。あ、『アムリタ』も中々良い本なので、気が向いたらレビューなんぞをしてみたいと思います。

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2007年11月 7日 (水)

村上春樹『もし僕らのことばがウイスキーであったなら』

今日は、久々に天気が良くて、平穏な心持になれたこと以外は取り分け何もなかったので、何となく本の紹介でも。

『もし僕らのことばがウイスキーであったなら』/村上春樹著/新潮文庫

"もし僕らのことばがウイスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。"(p12-13の本文「前書きのようなものとして」より引用)

この本の中の「前書きのようなものとして」にある文章で、個人的には一番好きな箇所だったりします。冒頭が一番好きな箇所というのもまあ、なんとも言えないものがありますが。この本自体、平成十四年の出版で、自分自身も殆ど文庫本が出たくらいか、その一年後くらいに買ったのではないでしょうか。丁度その頃、村上春樹を兎に角読み漁っていた時期がありまして、あらかた小説を読んでしまった自分は、遂にルポ系にも手を出してしまったのです。そこで、酒もろくに飲まない(飲めない)高校生が出会ったのが、この言葉。以来、そんな瞬間を夢見つつ、密かにウイスキーというお酒に憧れていた筈が、気付いたら日本酒大好き人間と化していたのでした・・・

本の内容は、グレートブリテンの北西に位置するアイラ(Islay)島とアイルランドでの旅について、ウイスキー蒸留所を重点的に回りながら、それについてとうとうと綴られた本。何回も読んでいますが、個人的には独特の静けさが伝わってくるような本で、ささくれ立った様な気持ちの時に読むと、ふっと肩の力が抜けるような感じを受けます。重い小説とか、堅苦しい新書を読んだ後に、口直し的な意味合いで読んだりすることもしばしば。氏の奥さんが撮った写真も飾り気がなくて、のんびりとした時間を感じ取れるような気がします。これを見て、さらにアイルランドに行きたくなってしまったりもしてます。

また、随所に色々と示唆的な言葉があり、少し考え事をするにはとても心地のよい世界でもあります。何かを作り続けて、生きていくこと。それがもたらすもの。築き上げてきた歴史とその変容。引き継がれる伝統、壊される伝統。何を残し、何を捨てていくのか。

そして、今やとうとう先月のバイト代が入ったときに、“一ヶ月間、お疲れ様”ということで買っておいたものが一つ、ここにあったりします。飲み方、誰かと飲むか、一人で飲むかは決めてないんですけれど、これはやっぱり、ことばがウイスキーとなってしまうまで、誰かと飲む方がいいんだろうな、と思って居たりします。

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2007年10月11日 (木)

ちょ・・・/重松清『疾走』

ところでコイツを見てくれ、コイツをどう思う?

http://design.cocolog-nifty.com/document/d_374.htm

・・・凄く、ひこにゃんです。

というわけでこんなのあるんですねーやっぱり彦根400周年のひこにゃんは強し。

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そんなわけで、最近はかつての高校時代の様に、行き帰りの通学の時間で鞄に詰めた文庫本を取り出すことが多くなり、より一層読書が進むようになりました。

今回読み終えたのは、主に現代の中高生、及びそれくらいの子供を持つ家庭に纏わる社会的なテーマ(例としていじめなど)をよく書く重松清の『疾走』です。

これを読むのは二回目なのですが、相も変わらず所謂「救い」の無い結末と共に、物語が進むにつれて、平穏で幸福な日々が段々と崩れ去っていく様。そういったものの背後に社会的なテーマ、聖書のモチーフを織り込む手法、そういった全体の空気というか方向性を決めるような語り部の口調の筆致は、流石重松清とでも言うべきもので、世界に引き込まれていくかのようでもあります。

それでもまあ、中々に表現が露骨過ぎる部分もあったり、ちょっと難解な部分があったりと、他の重松清の作品と比べてもクセが強い感じで、万人に勧められるかどうか、と訊ねられると、返答に困る作品ではあります。さらに、主人公に感情移入して本を読むタイプの人、つまりどっぷりとその本の世界にはまって読む人には、若干精神衛生上良くないとさえ言えるかもしれません。何だかんだ言っても「重い」作品であることには間違いないと思いますしね。読了後も爽やかよりは、若干後味の悪さの方が残ること間違いなしでしょう。

ま、それは兎も角、これでいよいよ買っておいて積んでいるだけだった本達に手が出せそうです。次は、吉本ばななにするか初めて買った森博嗣にするかが迷いどころだったりします。

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